
北陸新幹線は「東京と北陸を結ぶ大動脈である」だけではない。
北陸新幹線は、大阪までの延伸に向けて北陸地方をあげて取り組んでおり、全線開通によってはじめて東海道新幹線の代替補完機能を有することができます。万が一、南海トラフ大地震のような大規模地震が発生した場合には、東西の往来リスクを大幅に軽減できると見込まれ、災害に強い国土形成に貢献することも期待されています。
北陸新幹線の全線開通は、地域間交流の促進や経済活動を活発にすることだけではない可能性を大いに秘めているのです。首都圏、関西、中京、北陸とのネットワークの充実が一日も早く実現することを願って止みません。
「一日も早く大阪へ」私たちはこれからもこの運動を続けていきます。

総力を上げて地域経済の活性化をはかる。
デジタル技術の進展に伴い、急速に変化する社会に対応できる仕組みづくりにチャレンジすること。観光地としての「とやま」をさらに磨き、PRしていくこと。そして、農林水産業の経営基盤強化によって競争力を高め、富山県産品の供給安定化をはかること。また、私たちにとって恒久的に必要なエネルギー供給を「省エネルギー」「再生可能エネルギーの導入」「新エネルギーの開発」など、未来志向のテーマに取り組んでいくことも求められています。
様々な社会問題が山積する厳しい環境の中にあっても、総力を上げて地域経済の活性化にチャレンジし続けることが大切です。

「全ての世代が、いきいきと暮らせる社会」を目指す。
富山県は、海・山・川などの豊かな自然、歴史・伝統文化、子育て・教育、公共交通、様々な暮らしを支える産業全般に至るまで、都市部にも負けないプレゼンスに溢れています。これらの魅力に磨きをかけていくことで、全ての世代がいきいきと暮らせる社会を構築していくことができるのではないでしょうか。
暮らしが豊かになってこそ、人間の可能性が広がっていく。人々の暮らしを豊かにするため、これからも分散型社会による「地方の重要性」を訴えていきたいと思います。

少子化問題は、地方の問題。
東京をはじめとする大都市への人口集中が加速しています。都市部は便利である反面、時には将来への意欲や成長する機会を奪うこともあるようです。このような傾向を踏まえ、富山県ではかねてよりこの問題に取り組み、様々な魅力づくりを実施してきましたが、人口減少には歯止めがかかっていません。
県のまとめによると、県内から県外へ転出した人は県内への転入を上回り、特に20代女性の転出が多い傾向が続いているそうです。国全体を見ても「人口減少社会」が私たちの暮らしに及ぼす影響は想像をはるかに超えています。
地方は、活力溢れる暮らしが送れるよう、これまで以上の環境整備や魅力づくりに知恵を絞るとともに、国では人口減少を食い止める異次元の対策をいち早く講じなければなりません。最大の国難ともいえる状況に「危機感」を覚えています。

元気な人の高齢化は、豊かさのバロメーター。
私自身、昭和18年生まれですが、おかげさまで現在も健康に過ごすことができています。健康なシニア層が増えることは、経済や社会福祉が正しく機能している証であり、個々人にとっても幸せなことだと思います。
すべての世代の人が、「いきいきと暮らせる社会」を目標にすることから出発したい。特に地方は、その意識を強く持たないと「人口減少」に歯止めがかからなくなります。
老若男女、世代間の違いなどは、先進国のありようをよく学んで、吸収できるところは吸収していくことが、新しい「標準」を定めていく近道となり得るでしょう。
私たちは、「生活の質」をどこに求めるのか。そうした社会が、もう始まっていると思います。